各部門の紹介

ヘルニアセンター

ヘルニアセンター紹介

2023年6月よりヘルニアセンターを開設しました。成人の鼡径ヘルニア、大腿ヘルニアおよび、その他の腹部ヘルニア (閉鎖孔ヘルニア、臍ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニアなど) の診療を専門に行います。当外来では、今まで以上に安全で確実な治療を提供することを目的としております。

 

鼡径ヘルニアとは

鼡径ヘルニアとは鼡径部 (足の付け根あたり) に腸管や腹膜の一部が脱出する病気です。成人の鼡径ヘルニアは加齢により腹壁が弱くなり、腹圧が加わることで起こります。

鼡径ヘルニアの写真(日本ヘルニア学会ホームページからの転載)

 

 

鼡径ヘルニアの症状は?

鼡径部のふくらみや違和感、痛みなどがあります。立ったときやおなかに力を入れたときに鼡径部にやわらかい腫れを感じ、指で押さえたり横になったりすると引っ込むことが特徴です。ふくらみが急に硬くなり、押さえても引っ込まなくなる場合には、脱出した腸管の血流が悪くなり、放置すると腸管が壊死することがあります。嵌頓(かんとん)と呼ばれる状態で、かなり強い痛みを伴い、おなか全体の痛みや嘔吐を伴うことがあります。

 

ヘルニアの種類

ヘルニアの場所により、以下のタイプがあります。
1.鼡径ヘルニア 鼡径部(足の付け根)のふくらみ
2.大腿ヘルニア 鼡径靭帯より下から出てくるふくらみ
3.閉鎖孔ヘルニア 骨盤にある閉鎖孔という穴に腸管がはまり込む状態
4.臍ヘルニア お臍の周囲のふくらみ
5.腹壁瘢痕ヘルニア 開腹手術の創部のふくらみ

 

鼡径ヘルニアの治療

鼡径ヘルニアは自然に治ることはなく、お薬でも治すことができません。
治療法は手術治療のみとなります。
手術では腸管が脱出してくる腹壁の穴(ヘルニア門)をメッシュという人工物で補強します。手術方法としては①鼡径部切開法、②腹腔鏡下鼡径ヘルニア修復術の2種類があります。それぞれの方法に特徴があり、担当医と相談の上、治療法を決定します。

 

①鼡径部切開法
ヘルニアのふくらんでいる部分を4~6cmほど切開して手術を行います。
脱出した腸管をおなかに戻し、脱出した袋を切除します。
ヘルニアの原因となっている腹壁の穴をメッシュによって補強します。

鼡径部切開法の手術創(日本ヘルニア学会ホームページからの転載)

 

 

②腹腔鏡下鼡径ヘルニア修復術
5~12mmのポートと呼ばれる筒を腹壁から3本挿入します。
おなかの中に炭酸ガスを入れ、ふくらんだ空間を利用して、おなかの中から治療します。
カメラで映し出されたおなかの中をモニターでみながら、鉗子と呼ばれる手術器具を使用して治療を行います。
おなかの内側からメッシュをあてて、腹壁の穴を補強します。

腹腔鏡下鼡径ヘルニア修復術の手術創(日本ヘルニア学会ホームページからの転載)

 

腹腔鏡下鼡径ヘルニア修復術の手術風景

 

入院期間

通常は手術の前日に入院して翌日に手術を行います。問題がなければ術後数日で退院となります。(入院期間4~7日間程度)
入院は原則としてヘルニア手術の専門病棟となり、経験豊富なスタッフが術前術後の対応を行います。

ヘルニアセンター病棟看護師

 

診療について

ヘルニア専門外来として毎週月曜午後、火曜午後に診察枠を開設しました。外来では診察時間枠に余裕をもたせ、患者様の待ち時間の短縮をはかっております。外科・一般外来枠 (月曜~金曜・午前) でも診察を行っており、患者様のご都合に合わせて受診していただくことができます。

 

初診・再診AM森永/鈴木和田/田中緒方/鈴木森永/和田緒方/田中
専門外来食道AM-加藤広---
ヘルニアPM森永田中---

 

予約方法

担当窓口:桐生厚生総合病院 外科外来
TEL:0277-44-7171(代表)
対応時間: 9:00~17:00(土、日、祝日、年末年始を除く)