各部門の紹介

新生児未熟児センター(NICU)

概要

  •  地域周産期母子医療センターとして、群馬県東毛地域の新生児医療の中核を担います。
  •  産科部門と協力し、母体・新生児の病気がある場合の母体搬送(妊婦さんに転院いただき、当院で出産、出生直後からお子様の治療を開始できます)を積極的にお引き受けします。東毛地域の産科で生まれた赤ちゃんに病気がある場合の搬送(新生児搬送)も受け入れています。桐生市内からの依頼の場合は必要に応じて桐生市消防署の救急車で出迎え搬送を行います。
  •  NICU9床で、夜間休日も小児科医が当直し独立看護体制があり、24時間体制で一酸化窒素吸入療法、高頻度振動換気法等の専門的な新生児集中治療を行います。安定後は、退院に向けての準備も行います。
  •  入院後に外科手術が必要な疾患を持つことが分かった場合は、当院で診断後に当院医師が付き添って県立小児医療センター等に転院搬送し、適切な治療が受けられるよう連携します。
  •  日本周産期新生児医学会 周産期(新生児)専門医 指定研修施設に認定され、新生児医療の専門研修に対応しています。
  •  院内外を対象に新生児蘇生法講習会を定期的に開催し、地域の周産期医療レベルの向上に貢献しています。

 

実績

  •  年間入院数は約110名、1500g未満の極低出生体重児が約20名、人工呼吸器管理が約30名です。
  •  最近10年の極低出生体重児、超低出生体重児の生存率はそれぞれ99%、97%でした。

 

最近10年間(2015〜2024年)での極低出生体重児の診療成績

在胎週数入院数生存退院数生存率(%)
25週9889
26週2020100
27週313097
28週3434100
29週以上11811698
合計21220898
出生体重入院数生存数生存率(%)
500g未満00
500~599g77100
600~699g66100
700~799g141286
800~899g2222100
900~999g1717100
1000~1500g14514399
合計21120798

 

特色

多職種の協働

専門性豊かな多くの職種で協力して医療にあたります。医師(小児科専門医、新生児専門医、新生児蘇生法インストラクター)、助産師・看護師(新生児集中ケア認定看護師、新生児蘇生法インストラクター)、臨床心理士、理学療法士・作業療法士・言語療法士、医療ソーシャルワーカー

 

診療環境の整備

NICUは広々とし、必要に応じてスクリーンを下げプライバシーを守りながらベッドサイドでカンガルーケア等を行いやすい環境です。窓枠は木目調、壁にはアートを配し、ご家族が落ち着ける環境を作っています。

質の高いケア

新生児集中ケア認定看護師が勤務し専門性の高いケアを行います。ディベロップメンタルケアに配慮し、良い姿勢(子宮内のように手足を曲げて丸まった、落ち着ける姿勢)、子宮内に近い環境(日中も明るさを落とした室内(下図)、騒音調整)等を行なっています。

ご家族とお子様とのつながりを深める支援

母乳育児の推進や助産師による乳房ケア、お子さんのケアへのご両親の積極的な参加、面会ノートの利用、臨床心理士の面談等で支援します。

退院に向けての支援

退院前には哺乳や沐浴の練習を進めます。退院直前にはファミリールームを使って、宿泊か長時間の育児練習ができます。安心して育児ができるように、地域の保健師やかかりつけ医などへ情報を提供して連携します。

宿泊練習・長時間育児練習に使えるファミリールーム

退院後の支援

いつでも電話で看護師に相談いただくことができ、必要に応じ医師のアドバイスを受けることもできます。退院後は発達外来で経過を拝見します(極低出生体重児は小学校就学まで)。発達外来ではNICUの看護師がお話をうかがうことがあります。極低出生体重児、32週未満のお子様をお持ちのご家族が集まる会(クラブプリミー)を年1回開催しています。